産地出荷情報のリアルタイムな把握により、リードタイムを大幅に短縮し早期販売も実現。その手応えで物流分野での活用を決め、合理化を推進中。

株式会社大田花き様

管理方式: 出荷情報受信

用途: 花き

株式会社大田花き様は、1989年の設立以来、東京都中央卸売市場大田市場で卸会社として市場業務を運営。取扱量・取扱金額ともに国内最大の花き市場として、全国の生産者と、小売店や量販店をつないでいます。スピーディに高品質の花きを供給するために、JA集出荷システムを導入してデータ入力の効率化を果たし、今、物流業務への活用にも着手しています。

お客様プロフィール

事業所名 株式会社大田花き様
本店所在地 東京都大田区東海2-2-1
URL https://otakaki.co.jp/
お話を伺った方 執行役/ロジスティック本部副本部長 平野俊雄様

インタビュー

課題

  • 花き需要拡大への即応
  • 多岐にわたる希望出荷時間への対応
  • 将来の人手不足への懸念

導入効果

  • データ化により作業負担を軽減
  • 入荷から出荷までの時間を短縮
  • 流通の効率化により省人化を実現

JA集出荷システムの導入を検討された背景は?

設立時は関東圏のお客様への花き提供を想定していましたが、仙台や福岡などの流通中継地との取引や全国のお客様からのご依頼に応える中で、取扱想定量をオーバーする状況になっていました。同時に、輸送時間のかかる地方への出荷が増え、希望出荷時間はどんどん前倒しになっていきました。最短では、入荷から出荷まで1時間というケースすらあり、抜本的な効率化が必要でした。

 

導入検討に当たりどのような点を重視されましたか?

市場は日々動いているので、業務に支障の出ないスムーズな導入ができることと、拡大する需要にスピーディに対応できることを重視しました。さらに、花きは青果など他の生鮮品に比べて種類が非常に多く、サイズも様々なので、ミスを回避するためにあらゆる段階で人の手による作業を減らせることも重要でした。

システム導入の決め手は何でしたか?

FAX送信や手入力の電子化、荷捌きの効率化などの検討を進めている中で、すでに導入していたフロリスネットと同じ考え方で利用ができ、「できるものをいろいろ取り入れてみよう」という私たちの希望にも合致していたことです。また、クラウドサービスだと情報のやり取りに時間が掛からず、相対の時間を早く、しっかりと確保できることも魅力的でした。こうしたシステム自体の使いやすさに加えて、サポート体制も厚く「いける!」と判断したのです。

実際にシステムを利用され、どのような変化がありましたか?

生産者からの出荷情報のインプットだけでも一日1万5000行と膨大な量があります。JA集出荷システムを利用している生産者からの出荷情報はリアルタイムにデータで入手できるため、時間や人員などの負担はトータルで50%削減できました。もちろん人為的なミスもなくなりました。生産者からの出荷情報を正確かつスピーディに買い手に提供することが市場の使命なので、システム導入は大正解でした。

システム運用について今後の計画はありますか?

取引情報の管理や提供に続き、物流分野でもシステム導入を進めていこうと考えています。目指しているのは、手作業をいかに減らすかです。たとえば、生産者が商品に貼ったバーコードシールを荷捌きでも活用できないか、バーコードを装置が自動的に読み込んで仕分けられないかなどです。トラックから降ろすところから出荷までを自動化できれば、時間も作業エリアも人員もすべてを削減できます。

計画は順調に進んでいますか?

自動荷受については、JFEエンジニアリングの担当者と話し合いを重ねてできるところから着手し、2020年から実証段階に入っています。今後は適用範囲を広げて、全入荷量を自動荷受できる体制に持っていきたいと思っています。当社のお客様は、北は北海道、南は九州まで全国に散らばっているので、遠方のお客様の希望を叶えるためにも物流業務の効率化は必須です。

物流へのシステム導入でどのような効果を目指していますか?

作業の効率化、合理化を図ってリードタイムを短縮することは、花きのスピーディな流通を可能にして、お客様にとっては流通にかかる時間やコストの削減に、当社や生産者にとっては作業負担の軽減や利益率の向上につながります。また、高齢化と人口減少による人材不足という課題の解決にも有効だと考えています。

最後にシステム導入を検討されているJA様や卸会社様へメッセージをお願いします。

今は、さまざまな分野でデジタル化が進んでいます。コストをかければどんなこともできますが、それだけの体力を持つ卸会社は多くはありません。少ない投資で最大限のメリットを得るにはどうすればいいかを考え、当社はJA集出荷システムの導入を決めました。ハードウェアを導入しなくてもJA集出荷システムにアクセスすれば、JA様の出荷情報をダイレクトかつリアルタイムに入手することができるようになり、ありがたかったです。解決したい課題があるなら、まずは相談をしてみてはどうでしょう。